パタゴニア メンズ ダスパーカ(patagonia M's Das Parka)を購入し、実際に雪山登山&アイスクライミングで1シーズン使ったので、感想を書きたいと思います(^^)
/
2015/01/21 ジョウゴ沢F2
購入した背景
雪山を登るようになって数年、ずーーーっと雪山でも暖かく過ごせる防寒着が欲しいと思っていました。
冬になると、インターネットでさまざまな防寒着を使った人のレビューをみたり、登山ショップを見てまわってはあれこれ物色していましたが、なかなか決まりませんでした。
というのも、私の用途は、一般雪山登山だけでなく、アイスクライミングでも使え、できれば街着でも・・・とかなり幅広いからです。
まず、悩んだのは、中綿の素材。
ダウンにするか、化繊にするか悩みました。
一般雪山登山までならダウンジャケットがいいかもしれませんが、アイスクライミングとなるとしっかりと凍った氷壁だけでなく、ひたひたと水滴が流れている氷壁もあります(ベチャベチャになるし、なりより氷が信頼できないので、できるだけそこを登るの避けますが)。
いままで何度か、水がしたたる氷壁のでの登攀も経験し、その度に外側のウェアーがベチャ濡れ(特に手首周辺)になることがわかっていました。
そうなると、日帰りならいいですが、1泊以上となるともうダウンジャケットだと中のダウンが濡れてしまい(特に小さく圧縮して収納する時に濡れが他の部分に移る)使い物にならなくなる可能性があります。
化繊だと濡れでロフトが低下することはそれほどありませんから、濡れに強いですが、ダウンに比べて保温力が劣る(同じ重量だとダウンの方が温かい)と一般的に言われているため、ダウンか化繊かで悩んでいました。(あと、化繊のジャケットは見た目も少し安っぽい)
それなりに高額ですし、頻繁に買い換えるものではないですから、どうしようかと散々考えたいたら、パタゴニアのダスパーカが2014年冬モデルからリニューアルされることを知り、近くのアパレルショップに置いてあったので試着してみたら、めちゃくちゃ温かく、また、もともと積雪期の登攀者向けに作られたものとあって、雪山とアイスクライミング用としては、非常に完成度が高く、必要な機能もしっかり付いていたことがわかりました。
デザインに関しては、正直、この価格帯だとわからない見た目ですが、厳冬期の八ケ岳の乙女の滝でビレイしてたとき寒すぎて次第に指の動きが鈍くなり凍傷になるんじゃないかという経験もしているし、やはり見た目よりも機能性がまず第一だな、と考えてダスパーカを購入したのです。
2014/01/14 八ケ岳の乙女の滝
特徴
アラスカ、アルプス、カラコルムなど世界中で、極寒のアルパインクライミングの常連として長年活躍してきたDASパーカは、保温性を最大限に高める極めて立体的なフィット(ビレイ用パーカとして機能するサイズは維持)と、優れたロフトで濡れても保温性を維持する120グラム・プリマロフト・シルバー・インサレーション・ハイロフトを採用しています。胴部にはさらに60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーションのレイヤーを加えました。シェルはDWR(耐久性撥水)加工とポリウレタン・コーティングを施した軽量なリップストップ・ナイロン製で、耐久性、優れた耐水性、防風性を提供しながら全体の重量は削減しています。シングルプルで調節可能なフードはヘルメットの着用に対応し、ハイカラーのデザインもさらなる保温に貢献。ジッパー式インサレーション入りハンドウォーマーポケットとジッパー式チェストポケットが付き、内側の大型メッシュポケットは濡れた手袋を入れて乾かすのに最適です。袖口は伸縮性、ドロップテイルの裾はドローコードを備え、ビレイ器具が見やすいツーウェイ・ジッパーには内側にインサレーション入りウインドフラップ付き。本体を収納できるスタッフサックが付いています。(メーカーHPより)
- ポリウレタン・コーティングとDWR(耐久性撥水)加工を施した、耐水性と防風性に優れ軽量ながら丈夫なパーテックス・エンデュランス・リップストップ・ナイロン製シェル
- マルチデニール繊維を採用した120グラム・プリマロフト・シルバー・インサレーション・ハイロフトは驚くほどのロフトと優れた保温性を備え非常にコンパクトに収納可能。胸部と腹部と背中に加えた60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーションは最大限の保温効果と撥水性を提供
- ヘルメットの着用に対応したフードはドローコードによりボリュームおよび周辺視界を調節可能
- 裏側にインサレーション入りウインドフラップを備えたフルレングスのツーウェイ・フロントジッパーは、上部の折り返したジッパーガレージによりあごへのあたりも快適
- インサレーション入りのジッパー式ハンドウォーマーポケットが2つ。内側に大型メッシュ製ポケットが2つ。外側にジッパー式チェストポケットが1つ
- 伸縮性を備えた袖口とドローコード付きのドロップテイルの裾が外気を遮断して温かさを逃さない
- 本体を収納できるスタッフサック付き
- シェル:1.2オンス・20デニール・パーテックス・エンデュランス・リップストップ・ナイロン100%。ポリウレタン・コーティングとDWR(耐久性撥水)加工済み。インサレーション:ポリエステル100%の120グラム・プリマロフト・シルバー・インサレーション・ハイロフト。胴部の追加レイヤー:ポリエステル100%の60グラム・プリマロフト・ゴールド・インサレーション
- 669 g (23.6 oz)
胸ポケットは、ちょっとしたものを入れるのに便利。
フードの後ろにドローコードで視界を調節
ビレイ時に便利な内ポケット。厚手のグローブも入るし、グローブが凍結するのを防げます。
両側にポケットあり。
ジャケットの裾には、ドローコードが付いていて、しっかり外気を遮断。
ジッパーが下から上がるのは、ビレイ時に非常に大切。(これにより、ビレイデバイスやローブとジャケットの裾が干渉するのを防げる)
収納はけして小さくない。(がんばれば半分くらいに圧縮可能)
カラビナループが付いてます(使わないけど)
袋がなくても、フード内に入るように折りたたむことができます。
私は、山ではほとんどこの方法で収納します。
実際に使った感想
ダスパーカがこれほど温かいとは、思っていませんでした。
いままではダウンの方が優れている、と思っていましたが、体にフィットするように立体的に作られていて、まるで空気に包まれているようでした。
通常、ダウンジャケットであればダウンの偏りを防ぐためボックス構造にするため多数の針穴があり、そこから温かい空気漏れ出したりしますが、化繊(プリマロフト)はフェルト構造ですからその針穴が少なくて済むのを最大限に生かされている、と感じました。
2015/01/21 ジョウゴ沢F2
ビレイする時に、さっと着れて、本当に温かいです(^^)
ジッパーが下から開くので、ビレイの邪魔をしません。
パートナーにもこれを着てもらいましたが、「あったかい!」と言っていました。
テントでも着て過ごしましたが、本当に快適です。
2015/01/22 南沢小滝
この南沢小滝の登攀では、少し標高が低いためか、一部びちゃびちゃの氷でダスパーカもべちゃべちゃに濡れましたが、
まだ買ったばかりだからか、中綿への浸水は感じられませんでした。
ダウンジャケットだと、水濡れには敏感になってしまいますが、ダスパーカはポリウレタンコーティングしてますから、後で拭けばいいだろうぐらいの余裕があります。
15/02/21 芦安トリコルネ
前作のダスパーカは、かなりお腹周りが大きくて、いくらビレーパーカーでも大きすぎだろう、それでなくても登攀するような人に太った人は少ないんだからと感じるサイズでしたが、
2014冬からのモデルは、メーカーが言うように、スリムなっているので、フィットします。
このフィット感が、本当に絶妙。
雪山なので、重ね着してるし、ハードシェルも着ますが、その上から隙間なくフィットするので、温まった空気が逃げにくい。
それと、ダウンジャケットに比べて、化繊であるメリットを感じた場面がありました。
アイスクライミングの場合は、ハーネスから先端が刃物のアイススクリューをブラブラとぶら下げているため、何度かダスパーカの内側に引っかかりました。
中綿が化繊ですから、たとえ内側の生地が裂けてもフェルト状の中綿が露出するだけですが、ダウンジャケットの場合はそこから最大1ボックス分のダウンが飛び出してくることになります。
ダスパーカは、たとえ生地が裂けても、それほど保温性能が劣化しないと思われます。
まとめ
街着でも使えますし、雪山登山でも快適、そしてアイスクライミングではその性能を最大限発揮されるジャケットです。
私はこの完成度の高さに驚かされました。
これからの登山でも大活躍するでしょう。
心から買って良かった、そんなジャケットです(^^)
★「パタゴニア ダスパーカ」 の購入者レビューと実売価格
(通販だとかなり値段が安いものがあります。アウトレット品や直輸入品だったりするようです。ダスパーカは人気で数年前のモデルも売られていますが、私が買ったのは2014年モデルのMサイズ(私の身長は176.5cm)です。ご参考に)
コメント