近年、安価で透湿性あり高性能と登山者の中で人気となっている、ショーワグローブのテムレス。
手袋内部に起毛させたパイル地を採用することにより保温性を高めた防寒テムレスも、雪山登山で使う方も増えているそうです。
アイスクライミングで使ってみました
先日、友人T氏と霧積温泉でアイスクライミングした時、T氏が防寒テムレスを持ってきていたので、実際アイスクライミングで使ってみました。
Lサイズは、私には大きくて指先がダブつき、懸垂下降のときカラビナのゲートをグローブが塞いでロープをかけ難かったり、
ゲートを閉じる時、ダブついたグローブが挟まったりして(テムレスは柔らかいので余っていると簡単に挟まる)、非常に手間取ってしまいました。
アイスクライミングでは、アイススクリューを入れたり、クイックドローかけたりなど、指先を使った細々とした操作します(トップロープで登るだけならしませんが)ので、グローブが手にビッタリ会っているか、サイズ感は非常に重要だな、と改めて感じました。
以上、テムレスというよりは、アイスクラミング用グロープのサイズ選びについてでした。
テムレスはアイスキャンディで使用禁止
冬期用のグローブは、既に幾つか持っているので、予備用に追加でテムレス合ってもよいかな、と思ってネットで調べると、八ヶ岳の赤岳鉱泉のブログ記事に「今冬からアイスキャンディでのテムレスグローブを用いたビレイ行為を禁止します。」と書かれていました。
近年の冬山やアイスクライミングで愛好者が増えているSHOWA「防寒テムレス」グローブ。
この冬からアイスキャンディでビレイを行う際のテムレスグローブ使用を禁止します!
テムレスグローブを使用してのビレイを行う危険性については、
・滑り止めの為に樹脂をコーティングしていて、ビレイデバイス内に指を引き込まれる可能性があること。
・高い滑り止め効果によって、円滑なロープ操作を行うことが困難であること。
SHOWAが発表するテムレスの使用上注意には、
「回転体を伴う作業には使用しないでください。手が巻き込まれるおそれがあります。」と記載があります。
ビレイデバイスにロープが入ることも同様に解釈すべきと考えます。
実際に、アイスキャンディではテムレスグローブを使用してビレイを行った際に重大事故に繋がりなねない危険な事案か発生しています。
出典:鉱泉日誌
また、青山学院大学山岳部のブログにも
【最強の装備:テムレスの防寒手袋】
2017/11/30追記
が、やはり万能ではありません。
ビレー時に使用することでとても危険なことが起こり得えます。強烈なすべり止め効果によって、ザイルとともにビレー器具に手袋が巻き込まれることがありますのでご注意ください。
ビレー時は山用品の手袋を使用することをおすすめします。
とあります。
高いスベリ止め効果がビレイに向かない
テムレスは登山用に開発されたものではありませんから、登山のあらゆるシーンで、というのは難しいのかもしれません。
上の写真を見ると、手の内側に、水色のポツポツした突起があるのがわかるでしょうか?わかりにくいので拡大してみましょう。
拡大すると、小さな突起物が付着しているのがわかります。実はこれがロープ操作のとき、ロープの繊維を多少噛み込みます。
ビレイでは、手の中でロープを滑らせる動きをしますが、これが円滑な操作の妨げとなります。
そういえば、私もトップロープの支点を回収して、懸垂下降した時に「なんかグローブの滑らせるのに力がいる(引っかかる)なー」と感じた原因はこれだったようです。
通常、ビレイグローブは、どのメーカーもロープと接触する部分は、握れば摩擦が起き、緩めればスルリと滑る革を使っていますからね。
私が防寒テムレスを使ったのは、登る時、懸垂下降する時だけで、ビレイでは使わなかったので、テムレスでビレイした感じは体験していません。
「アイスキャンディではテムレスグローブを使用してビレイを行った際に重大事故に繋がりなねない危険な事案か発生しています。」と知った以上、今後、テムレスとはそれを踏まえたお付き合いになりそうです。
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